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【典生人語インタビュー企画 vol.18】組織と従業員におけるエンゲージメントとは?

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今回は【典生人語インタビュー企画】の18回目、「組織と従業員のエンゲージメントとは?」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■エンゲージメントとは会社に対する愛着心

 

チェリー:まず『エンゲージメント』とは何か、教えていただけますか?

 

典生:エンゲージメントとは、簡単な言葉で表現すると「会社と自分がつながっていると思えること、あるいは一体感」ですね。また、会社で働いている人たちが、組織のミッションや目標を「自分のこととして受け取ること」でもあります。

 

チェリー:理念やビジョンとエンゲージメントの関係性についてお聞かせください。

 

典生:本来、理念やビジョンを咀嚼し、行動に反映させて、メンテナンスをし続けなくてはならないのですが、ほとんどの会社は理念やビジョンを作っただけで終わっています。つまり、理念やビジョンを咀嚼できているかの判断基準がエンゲージメントなんです。

 

チェリー:理念やビジョンとエンゲージメントは深い関わりがあるのですね。ところで、「エンゲージできている」というのは、どういう状態をいうのですか?

 

典正:従業員が理念やビジョンを自分ごととして受け止めて、従事する満足度が高い状態をいいます。咀嚼から実践工程にあたって、エンゲージメントの度合いはすごく問われますね。

 

■エンゲージメントはビジョンを経営資源にするための重要な鍵

 

チェリー:どうしたら、理念やビジョンがうまく動き出すのでしょう?

 

典正:ビジョンというのは経営資源なんです。よく「人が資源」といわれますが、ビジョンが共有されているからこそ、人が資源となるんです。

 

チェリー:ということは、ビジョンが共有できているということが、エンゲージできているということですね?

 

典正:それが重要な一つの要素ですね。会社の中で、働く意義も想いも違う人間が個を尊重され認められることは重要です。そういう状態にあることをエンゲージメントができているといいます。

 

チェリー:エンゲージメントはビジョンを経営資源にするための、重要な鍵となるわけですね。

 

典正:そうですね。

 

■雇われ社長は、理念やビジョンを外部環境に合わせて客観視できるメリットがある

 

チェリー:創業者が社長に就任している場合、「社長=会社」と捉えてもらいやすくなり、最もエンゲージメントできている存在になると思うのですが、雇われ社長は、サラリーマン経営者なので、「社長=会社」とはならずに、エンゲージメントも困難になるのではないでしょうか?

 

典正:創業者でなく、しかも同族会社の2代目、3代目などでもない優秀な経営者は、創業時の理念や想いと、自分との距離感をうまく活かしていけるメリットがあるのではないかと思います。

 

チェリー:当事者意識は持っているけれど、『そういう熱さはほかの人には伝わらないよね』というように客観視できているからこそのポイントにも気づけますよね。

 

■外部環境に合わせて理念やビジョンを修正していく必要性

 

チェリー:創業社長でないからこそ冷静に判断できるというケースの具体的な例はありますか?

 

典正:『水道哲学』という松下幸之助語録に基づく経営哲学があります。
それは、簡単にいうと、「水道の水のように良質なものを、大量供給することで、消費者に安い価格で提供できるようにしよう」という考え方です。
物資の乏しかった時代には、その哲学を理念やビジョンにできても、物質的に豊かになった現代では、同じようにその哲学を理念やビジョンにするのはどうなのかな、という考えも出てきますよね。
創業社長でないからこそ、そういったズレにも気づくことができるのではないでしょうか。

 

チェリー:創業社長でないメリットのひとつは、距離を置きながら組織の学習をリードしていけるというところにあるのですね。

 

典正:そうですね。優秀な社長は「松下だったら、この環境下ではどう考えただろう」とその創業者の想いを理解しながら、環境の変化に対応していますよね。

 

チェリー:時代背景や外部環境の変化に合わせ、理念やビジョンを修正していかなくてはならないということなのですね。

 

本日は、エンゲージメントとは何か、そして理念やビジョンの修正をしていく必要性について伺いました。ありがとうございました。

【典生人語インタビュー企画 vol.17】 理念やビジョンの上手な周知の仕方

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今回は【典生人語インタビュー企画】の17回目、「理念やビジョンの上手な周知の仕方」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■トップが本気で長時間悩まないと、本物の理念やビジョンは出てこない

 

チェリー:理念やビジョンは、どのような形で共有していけば良いのですか?

 

典生:それを共有していくことは大事ですが、以前話したようにトップにいるリーダーが本気じゃないのに、ボトムアップやミドルアップで作ってもダメですよね。理念やビジョンは、できるまでには時間がかかるものですよね。良い流れをつくる基本は、まずトップが本気になることです。

 

チェリー:……といいますと?

 

典生:あくまで一例ですが、仕事をしながら意識するだけではなく、飲みながらでも、常に話ができる関係を作っていくことです。みんなに、“それだけの時間をかけてやっていい大事なことなんだよ”という認識をもたせることが重要なので、そのためにも、トップが本気である必要がありますよね。

 

■理念やビジョンは「伝え続ける」ことが重要

 

チェリー:「北極星は地球のどこにいても光が見える。光が見えてないために、うまくまとまらないのだから、北極星を示せば、必ずものごとはうまい方向に回っていく」という話をどこかで聞いたことがあります。想いを伝えようとするスタンスを固めるために時間をかけることは大事ですね。

 

典生:良い会社、あるいは、大手企業が良い会社だった時代は、常に伝える言動を起こしていたと思います。あの「アノニマスのマスク」もまさに北極星ですが、いかに健全な形で社会や企業がそれをもてるかということになりますね。

 

チェリー:アノニマスのような最新の組織スタイルではなく、従来の企業の形態での、理念やビジョンの上手な周知の仕方について教えてください。

 

典生:同じだと思いますよ。人は形にならないと意外とわからないものなんです。“メッセージ”や“存在意義”だけだとわからなかったものが、“ビジュアル”や“目的”が付随すると、ものすごいインパクトになります。アノニマスのマスクは、シンプルで伝わりやすく、情報量が多く、視覚効果もあり、フィーリングとして入ってきやすいですよね。

 

■視覚効果やフィーリング効果を使い、メッセージを明確に伝える

 

チェリー:なるほど。だから、アノニマスのマスクのインパクトやシンプルさが有効なんですね。

 

典生:視覚効果やフィーリング効果は高いですから、それを使えば、そんなに多くの言葉はいらないんですよ。視覚効果のいい例として「FedEx」があります。よくみるとロゴの中に「→」が入っているの、わかりますか?

 

チェリー:あっ、確かに矢印が見えますね!

 

典生:こうやってみんなの話題にのぼるというPR効果もありますが、内部で働いている人たちに対して“会社の価値観”をこれだけで強く示すことができますよね。

 

チェリー:こんなふうにワンメッセージでみんなが共有でき、そのうえ拡散効果のあるものは、素晴らしいですね。

 

■理念やビジョンを浸透させるためにも、メンテナンスをし続けることが重要

 

典生:北極星のように、自分たちの価値を見出すまでの時間はかかると思いますが、その時間を大事にしないとダメですよね。長い時間、悩んだ状態を経てこそ、本物の理念やビジョンが出てくるはずなんです。

 

チェリー:さらっと言葉だけでいう人は多いですが、そういう悩む時間を大事にする経営者でないと、本物の理念やビジョンはできないということでしょうか?

 

典生:気をつけないといけないのが、「つくって終わり」というケース。理念やビジョンは仕事をしながら魂を吹き込んでつくっていくものなんです。つくるまでと同じように、つくったあとにそれがどこでどう活かされているかを、常にチェックする必要があります。そういうやり取りが繰り返される中で浸透していくので、メンテナンスをし続けることが大切なのです。

 

チェリー:理念やビジョンはつくったあとに、常に意識していくのが重要ということになりますね。今回は理念やビジョンの浸透のさせ方を中心にお話を伺いました。ありがとうございました。

【典生人語インタビュー企画 vol.16】 理念やビジョンの話し合いから決定までの流れ

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今回は【典生人語インタビュー企画】の16回目、「理念やビジョンの話し合いから決定までの流れ」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■リーダーは「理念」やビジョンに対して、常に熱い気持ちで模索し続ける必要がある

 

チェリー:会社の理念やビジョンの基になるものは、どこからくるのでしょうか?

 

典生:経営者やリーダーの価値観が基になっている場合が多いですね。

 

チェリー:経営者が自分の言葉で発して、それを浸透させようとする場合がある一方で、ボトムアップでとりあえずの形を決める場合もありますよね?

 

典生:ありますが、それでうまくいった例は少ないですね。本当に生きた理念やビジョンは、本来どこが起点になっても良くて、立場に関係なく発信されるものです。しかし、トップマネジメントがそこにアンテナを立てて模索し、言語化する努力をしていなければダメですよね。

 

チェリー:やはりそこには、リーダーの熱い想いが必要ということなのですね?

 

典生:そうですね。典型的にダメなパターンは、他社にもあるから形式的につくるというような、「意志」のない理念やビジョンです。外部に対して取り繕うためだけにつくってもまったくダメですよね。試行錯誤してでも、リーダーがそこの重要性に気づくことが大事です。

 

■いちばん進化している組織形態は「ネットワーク組織」という形態

 

チェリー:いきなり話が飛びますが、最近、国際的なニュースになっている 過激派組織ISIS」のようなテロ組織は、思想や理念が仲間内でかなり浸透している様子ですよね? 

 

典生:今、世界でいちばん進化している組織形態が「テロリスト」集団という「ネットワーク組織」だといわれています。

 

チェリー:組織の形が時代によって変わるということなのでしょうか?

 

典生:もとの組織の形は、高度成長期における「ピラミッド型」です。そこから進化して「フラット化」し、さらに「ネットワーク型」へという流れになっています。ネットワーク型というのは、みんなが自立して、必要に応じて必要なチームが編成されるという最新のスタイルです。

 

■ピラミッド型の組織の脆弱さ

 

チェリー:そのネットワーク型の組織はどういうところで使われているのでしょうか?

 

典生:今、米軍などの軍隊でも、ネットワーク組織をどう取り入れていくかということに意識を注いでいます。
これまでは、相手もピラミッド型でしたから「言われた通りにやる」というのが正しかったのですが、闘う相手がネットワーク組織になり、リーダーが誰なのかわからないという場合、これまでのようにピラミッド型で指示通りに動くだけでは勝てません。

 

チェリー:日本の場合、ほとんどの会社がピラミッド型の組織でしょうから、経営者が亡くなったらすぐ潰れる会社も多いのでしょうね?

 

典生:中小企業は危険なところが多いですね。大企業でも、トップや一部のマネジメント層がワンマンでやっているところは危険です。

 

■ひと目でわかり、感覚的に共有できるツールを作ることの重要性

 

チェリー:ネットワーク組織といえば、アノニマス(ISISに宣戦布告した謎のハッカー集団)は、ある種の思想だけで集まった集団ですよね。

 

典生:そうですね。インターネットを操って世界を脅かすほどの能力がある人たちのネットワーク組織ですよね。

 

チェリー:高い能力をもった人たちが自動的に集まってきていて、これからも増え続けていくのだろうと思いますが。

 

典生:ビジョンを作っていくうえで大事なことは「ワンフレーズ」だったり「ビジュアル」だったり、ひと目でわかり、感覚的に共有できるツールなんです。それが、普段バラバラな人たちをつなぎとめるツールとなるんです。そういうものをアノニマスは築き上げていますよね。

 

チェリー:これまでの話を雇用形態で考えると、正社員として雇うより、非正規社員として雇用するほうが最新の形と言えるのでしょうか?

 

典生:そうですね。以前のトマトの会社の例を挙げると、雇用形態としてはオーソドックスなのですが、中身は限りなく自由業者の集まりに近いですよね。

 

チェリー:でも、すべてがネットワーク型だと社会としては成り立たなくなりませんか?

 

■世の中には、ネットワーク型雇用を心地良く思う人とそうでない人の2種類が存在する

 

典生:たとえば、ファーストフード店等ではネットワーク型の組織形態は難しいですよね。それに、雇われる側からすると、「ピラミッド型の雇用形態で働くほうが心地良い」という人も多数いますよね。

 

チェリー:確かに一般的には、そういう人たちのほうが多いかもしれませんね。

 

典生:決まった時間だけ仕事したい人や、決められた範囲のことだけしたい人もいますよね。ひとつの作業をずっと繰り返してやっていることが幸せな人もいます。逆に、リーダーになる人は意外とそういう人の価値観を理解できないケースがあります。

 

チェリー:なるほど。

 

■一升枡タイプと一升瓶タイプ。適材適所でどちらも優秀な仕事ができる

 

典生:一升枡と一升瓶にたとえるとわかりやすいかもしれませんね。「一升枡タイプ」は、一升枡で情報を一気に入れてかきまぜて、こうだよね、というタイプ。それに対して、「一升瓶タイプ」は、一升瓶に少しずつ丹念にお酒を入れていくタイプ。前者は早く情報を理解し、吸収していく人たちで、後者は丁寧にコツコツやっていく人たちです。

 

チェリー:リーダーになる人たちは、つい「情報を早く理解して吸収するタイプが優れている」と思いがちなんですね。

 

典生:でも、世の中を縁の下で支えているような人には、一升瓶のタイプが多いですよね。優れていると思われがちな一升枡タイプの人が不得意な仕事もありますし、その逆もあるんです。

 

チェリー:どちらかが優秀ということではなく、適材適所、タイプが違うだけということですね。それぞれのタイプの人たちが、相手をいいなあと思うのはいいけれど、必要以上に劣等感を抱いたり、逆に「かわいそうに」と思うのは間違っているということですね?

 

典生:自分とは違うあり方を受け入れるとともに、自分も自身の在り方を受け入れることが大事ですね。

 

チェリー: なるほど。「受け入れる」ことが重要なんですね。

 

典生:エグゼクティブやリーダーの人が「こういう仕事ってつまんないよね」と一升瓶の人を哀れむのは不幸です。理想は、リーダーがみんなを尊敬しているという感覚が伝わることです。

 

チェリー:本日は「理念はどこから来るのか」というお話を伺いました。それをつくるために、トップは、いつも模索しておく必要があり、社員を尊敬する態度も必要だということでした。本日も興味深いお話をありがとうございました。

【典生人語インタビュー企画 vol.15】 理念やビジョンと雇用体制について

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今回は【典生人語インタビュー企画】の15回目、「理念やビジョンと雇用体制について」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■「1人体制」から必要な理念やビジョン

 

チェリー:「会社」において、理念やビジョンは大切なものですが、これらは何人くらいの組織から必要になるものなのでしょうか?

 

典生:仕事を始めたら、1人だったとしても理念やビジョンは必要になりますね。今は、はっきりした理念やビジョンがないという場合でも、リーダーが、自分の中で探求したり、見えていない状態に気づくということも含め、常にアンテナを立てている必要があります。

 

チェリー:理念やビジョンに合致した社員を雇用しないと、お互い不幸になりますよね。また、それらが確立されてないまま仕事内容だけで入社してきた場合、意見が食い違うことやスタンスが違うためにうまくいかないこともあるかと思うのですが。

 

典生:そうですね。逆にいうと、社員は会社の理念やビジョンと、自分の生き方が重なれば重なるほど、仕事人生が幸せになるといえるかと思います。

 

■事業形態や業務内容によって変わる繋がり方

 

チェリー:ひとりひとりの理念やビジョンが明確になっている場合でも、「雇用関係」は必要なのでしょうか? 理念で繋がっていれば雇用関係がなくても、組織として成り立つことは不可能ではないように思うのですが。

 

典生:不可能ではないでしょうね。ただ、仕事をしていくうえでは、何らかの形、集団でやっていく必要はありますよね。事業形態や業務内容により、それにマッチした繋がり方のスタイルがあるかと思います。

 

チェリー:具体例を挙げて説明していただくことはできますか?

 

典生:製造業などの物づくりの現場では、同じ場所で、細かいところまで規則を共有することにより、業務の効率化、労働者の安全性の確保が図れるかと思います。また、一方で、シリコンバレーのような開発者の集団や、大手メーカ―が世界中のデザイナーからデザインをクラウドで選ぶなど「雇われない仕組」がどんどん進んでいっている領域もあります。

 

■「正社員」としての採用は、会社の付加価値を上げるための投資

 

チェリー:「正社員」(正規雇用関係)としてでしか、なしえない、あるいは機能しない仕事というのはありますか?

 

典生:中長期的にみて、正社員にしたほうがメリットが高い仕事と、そうでない仕事はありますね。ものすごく簡単に言うと、正規雇用の立場にいる人たちと、派遣などで働いている人たちのいちばんの違いは、「仕事の難易度」です。難易度が高まると、ある程度の経験が必要となるので、人事的にはその教育担当を正社員として確保していくという流れが出てきます。

 

チェリー:その場合、雇用することでの手間や人件費がかさんできますよね?

 

典生:そうですね。でも、教育担当が育ったときには、会社に付加価値を与えてくれることになりますから、言ってみれば“先行投資”ということになるでしょうか。その一方で、それほど付加価値につながらない場合、経営上非効率なので、社員ではない形での雇用が多いかもしれません。

 

チェリー:、正社員が多い業種はありますか?

 

典生:IT関連のネットワーク技術者は、世界的に引く手あまたで人材不足ですよね。中でも、高度なスキルをもった技術者は取り合いです。会社としても一度採用したら手放したくないですから、正社員にすることも含めて好待遇を用意することが多いでしょう。

 

チェリー:需要バランスの面からもみなくてはならないわけですね?

 

典生:供給が需要に追いついていない職種では、会社からすると正社員として確保したいところではないでしょうか。その他、法務担当者や、人事(HR)のプロなど会社の機密に関わる仕事は、フリーランス的に繋がるのは危険なので、正社員としての採用が必要となってくるかと思います。

 

■正社員として採用した場合のデメリット

 

チェリー:逆に、正社員として採用するデメリットは何かありますか?

 

典生:社員の固定給が毎月入ってくることへの甘えや、福利厚生に対する要求があることでしょうか。

 

チェリー:なるほど。フリーの場合、出来高制ですので、それだけ真剣に仕事に取り組むのではないかと想像できますよね。その点においては、採用するなら出来高制のほうがいいのでは? と思ったりもするのですが、そのことに対してはどう思われますか?

 

■仕事の満足感を引き出すために必要な「動機づけ要因」へのアプローチ

 

典生:そこが理念やビジョンにつながってくるところだと思います。モチベーションに関するスタンダードな考え方で、ハーズバーグの“動機づけ・衛生理論”というのがあるんですね。

 

チェリー:その“動機づけ・衛生理論”をわかりやすく説明していただけますか?

 

典生:たとえば、“お金”はないと不満なんだけれども、どんどん給与を上げていったからといって、それに比例して社員のモチベーションが上がるわけではないんです。正規雇用の社員で、給料がそれほど低いわけでもないのに不満を募らせる場合、対人関係はじめ、ほかの要因が考えられます。

 

チェリー:確かに対人関係の不満はよく聞きますよね。

 

典生:これも“お金”と同じで、対人関係が悪いと別ですが、めちゃくちゃ対人関係が良いからといって、仕事に対するモチベーションが上がるかというと、そうでもないんですよ。

 

チェリー:そうすると、社員の満足感を引き出すためには、どのようなことが必要なのでしょう?

 

典生:「動機づけ要因」にアプローチして、仕事の満足感を引き出すことが必要となってきます。その人の生き方のスタンスが問われますよね。重要ポストに就いている人は、会社に忠誠を誓い、組織に適応できるうえに、自己主張のできる人たち。こういった立場の人たちを育てるには特に、会社の理念やビジョンが必要となってくるわけです。

 

チェリー:動機づけにも理念やビジョンが関係してくるのはわかりましたが、理念やビジョンを提示するだけで、社員が満足して忠誠を誓えるものなのでしょうか?

 

■行動の伴わない理念やビジョンは“絵に描いた餅”にすぎない

 

典生:ただ提示するだけではダメでしょう。あくまで理念やビジョンは、社員が忠誠を誓うための大きな要素のひとつにすぎないと思います。「理念だけみたら素晴らしいけれど、やってることはどうなのかな」という、ブラック企業はたくさんありますよね。社長にインタビューすると、崇高な理念を掲げて立派なことを言うのに、スタッフにインタビューすると、不平不満が次々出てくるケースなどです。

 

チェリー:理想としての理念やビジョンを掲げているだけで、現実が伴っていないということですか?

 

典生:そうですね。素晴らしい理念を言っているのとは裏腹に、人事がアンフェアだったり、人材の扱いが雑だったり。たとえば、店舗展開している流通業ですと、やり手の店長は、どこへ行っても業績を上げられるので、常に業績不振店に配属され、ずっと苦労し続けるといったようなことですね。そんなふうに、仕事のできる人が苦労させられる企業は、最終的には業績が下がり、他社に抜かれる結果となっていることが多いです。

 

チェリー:本日は、理念やビジョンは「1人体制」から必要だというお話に始まり、本来は「動機づけ要因」としての役割を持っているものだということまでお話しいただきました。ありがとうございます。

【典生人語インタビュー企画 vol.14】 求職者にとって「良い会社」とは?

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今回は【典生人語インタビュー企画】の14回目、「求職者にとって“良い会社”とは?」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


チェリー:本日は、「良い会社」とされている会社についてお話を伺います。具体的な会社名を挙げてお話いただけますか?

 

■「テラモーターズ」
http://www.terra-motors.com/jp/

典生:この会社は2輪の電気オートバイを作っている会社です。ベンチャー国の方がカルチャーが合うと、ベトナムなどのマーケットを狙っています。会社が狙っているところを他社が真似できない、つまり、参入障壁が高い会社です。小さい会社なのにも関わらず主要株主がすごい。「自社製品でイノベーションを興しクリーンで持続可能な社会を創造する」という地球規模での理念ももっている会社です。私も社長に会ってみたいと思っています。

 

チェリー:ホームページを見ても、自分たちのミッションが何か、明確に打ち出されていますね。

 

■伊那食品工業株式会社
http://www.kantenpp.co.jp/index.html

典生:ここは「寒天パパ」の会社として有名ですよね。急成長は望まず、地に足がついた経営をしています。急な右肩上がりの会社はある意味怖いですが、この会社は「永続」こそ企業の価値であると安定した経営をしています。「企業は本来、会社を構成する人々の幸せの増大のためにあるべき」という、とてもわかりやすい理念がしっかり掲げられています。

 

チェリー:社是を実現するための会社としての心がけや、社員としての心がけまであるのですね。読んでいるだけで、社員が大事にされていることが伝わってきます。

 

日本理化学工業株式会社
http://www.rikagaku.co.jp/

典生:ここはダストレスチョークの会社で魅力的なオンリーワンの商品を作っています。
障がい者雇用に積極的な体制で、知的障がい者が従業員の7割を占めています。障がいのある社員が、今ある能力で仕事ができ、次には、より能力を高めていけるように、作業方法の工夫・改善をおこなっています。みんながリーダーシップを発揮できるような体制をとっていて、人間味にあふれた会社です。

 

チェリー:ひとりひとりがリーダーシップを発揮できれば、責任感も強くなりますし、やりがいも出て、まさに一石二鳥ですね。

 

●柳月(りゅうげつ)
http://www.ryugetsu.co.jp/

典生:帯広にあるお菓子の会社です。ここには、「お菓子」というメディアを通して、社会に貢献していこうという企業姿勢から生まれた「5つの誓い」というものがあります。いい会社はそんなに大きくならないんですね。会社を大きくすることよりも、社員の幸せや社会への貢献を重要視しますから。

 

チェリー:こうしてお話を伺うと、会社はしっかりしたビジョンをもち、それをしっかり外に向けて発信することが大事なんだなあとつくづく思います。

■おもしろ法人 カヤック
http://www.kayac.com/

典生:人のマネジメントという参入障壁の低いジャンルで成果を上げています。社員が勝手にルールを作ったりする自由あふれる会社です。それは、理念の共有ができていて、深い部分で繋がっているからこそできることだと思います。

 

チェリー:そこまでの共有ができているのは素晴らしいですね。

 

 ■ザ・モーニング・スター・カンパニー
http://www.morningstarco.com

典生:アメリカのカリフォルニアにあるトマトの加工会社です。ここは管理職がひとりもいないんです。自主管理で、ミッションを上司の代わりにします。管理するということは管理しないと人がさぼるから管理するのであって、自主的に働くなら管理は要らないということです。

 

チェリー:ここまで伺ってきて、やはり「良い会社」には共通点がたくさんあることがわかりました。「良い会社」に入るためには自分自身も積極的にならなくてはなりませんね。

 

典生:増田弥生さん(リーバイストラスの本社の役員まで行った方)が自分が入るときの面接での有名なエピソードがあります。
面接を受けている際に、「もしこの地球上からナイキという会社がなくなったら、人類は何を失いますか?」とナイキの面接官に質問したのです。
http://sejio.blogspot.jp/2010/09/by_21.html

 

チェリー:自分から経営陣に質問とは、すごいですね。質問は質の良いものでないといけないかと思いますが「良い質問の定義」があれば教えてください。

 

典生:ぼくとつでも本気度が伝わる質問がいいですね。そのためには、自分自身のミッションやビジョンがないとダメですよね。

 

チェリー:つまり求職者が「何をしていきたいのか」ということを、自分自身ではっきりもっていないとダメということですね。

典生:それがあってこそ、お互いがオープンに正直に向き合えるのではないでしょうか。

 

チェリー:3回にわたって「良い会社」について伺いました。次回は「ビジョンやミッションの固め方」について伺います。