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【典生人語インタビュー企画 vol.23】 「コーチとクライアントの関係」は?

ブログやウェブサイトの製作でお世話になっているチェリーさんから、私の仕事についてインタビューを受けて記事をまとめてもらいました。


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今回は【典生人語インタビュー企画】の23回目、「コーチとクライアントの関係は?」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■コーチングの資格をとるために必要なこと

 

チェリー:コーチングの資格をとるためには、どんなことが必要なのですか?

 

典生:実技試験、ペーパー試験、実際にトレーニングや授業を受けた時間の証明、実務実績も必要です。しかし、その一方で、コーチングは、資格を持っていなくても一流の人が存在するという世界でもあります。

 

チェリー:いずれにしても実際にやることが必要なんですね。

 

■流派によって違う、力点の置き方

 

典生:実際にやることは、どうしても必要です。そのための仕組みですが、たとえるとICFは運転免許試験センター、我々のドリームコーチ・ドットコムは自動車教習所(仮免許、つまり履修証明を与える)のようなものです。ただし、プログラムは、流派により力点の置き方が違います。

 

チェリー:力点の置き方の違いといいますと?

 

典生:たとえば、部下を教育することに焦点を当てているケースもあれば、人生全般、生き方に力点を置いたプログラムもあり、根底に流れている価値観にかなり違いがあります。ICFはそうしたさまざまなプログラムを、より本質的に広くとらえて審査、承認しているグローバルな機関です。

 

チェリー:ドリームコーチ・ドットコムでは自動車教習所としての役目として、どのような講座をなさっているのでしょうか?

 

典生:じつはドリームコーチ・ドットコムは長年企業向けのコーチングやトレーニングに特化してきたので、個人対象講座をほとんどやってこなかったんです。しかしせっかくコーチとして独立したのに、あるいは独立しようとしているのに、十分な自信がもてないとか、へたをするとコーチングを勘違いしている人がいるのを目の当たりにして、このままではコーチング自体の価値が社会に伝わらないまま終わってしまうという危惧を覚え始めたのです。そして3年ほど前から個人向けの講座をスタートさせています。

 

■ドリームコーチ・ドットコムが力点を置いている、“根底にある、幹の部分、根っこの部分”

 

チェリー:その講座では、どこに焦点をあわせていらっしゃるのですか?

 

典生:既にコーチングのスキルや基本的な考えは学んでいる人が主な対象なので、コーチングの“根底にある、幹の部分、根っこの部分はなんなのか”ということに力点を置いています。具体的なよりどころはICFのコア・コンピテンシーなので、コーチ育成講座はコアコンピテンシーキャンプという名称です。

 

■コーチングとはコーチとクライアントの関係性

 

チェリー:コーチングの根っこの部分とは何ですか?

 

典生:ここでは省略した言い方になりますが、ICFでは「コーチングとは関係性である」と定義しています。コーチとクライアントの間で関係性が生まれると、必要なことが起きてくるんです。ただ見守るだけのこともあれば、突き放すようなことを言うこともあり、そういう必要なものが関係性から現れ、機能するんです。この関係性を築かずに単なる聴き方や話し方の「スキル」だと思ってやっていると、率直に言ってコーチングは不十分なものになってしまいます。

 

チェリー:関係性から生まれてくるという意味では、逆に言うと、誰もが人のコーチになりうるということなのでしょうか?

 

典生:広くとらえればそうかもしれません。また瞬間、ある局面で言えば。しかしさまざまな状況で、高いクォリティのコーチングをするには、やはり体系的なトレーニングと経験が欠かせないと思います。

 

チェリー:本日は、コーチングとはスキルではなく、コーチとクライアントの関係性だという重要なお話を伺いました。ありがとうございました。

【典生人語インタビュー企画 vol.22】 「コーチンング」とは何か?

ブログやウェブサイトの製作でお世話になっているチェリーさんから、私の仕事についてインタビューを受けて記事をまとめてもらいました。


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今回は【典生人語インタビュー企画】の22回目、「コーチングとは何か?」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■コーチングには世界共通の定義がない

 

チェリー:まず、そもそもコーチングとは何かというところからお聞きしたいのですが?

 

典生:じつはコーチングには、世界共通の定義がないんです。たとえば、心臓外科医や裁判官なら、「こんな人でこんな仕事」という、はっきりとした正解と間違いの線引きがありますよね。

 

ところがコーチングにはそういうものがなく、みんなの中でのなんとなくの定義や認識があるだけなんです。

 

チェリー:それは意外でした。しかし、そうは言っても、ざっくりとした「こんなもの」というものはあるのではないですか?

 

典生:十数年前には、コーチングとは“コミュニケーションを通して、相手の中にある答えを引き出すスキル”だと言われていました。しかし、じつはこれって、コーチングのプロセスのひとつを表しているのにすぎないんですね。

 

チェリー:コーチというとスポーツでのイメージが強く、スキルを教えていくというイメージですが……。

 

典生:本来は「相手が本人自身のテーマに対する専門家なんだというスタンスで関わっていくこと」が大切なんです。無理やり質問をひねり出して相手に質問をし、答えを引っ張り出すのとは違います。これは多くの場合、その道の経験者が指導するスポーツのコーチとの違いですね。

 

チェリー:ビジネスや人生に関するコーチは、コーチ側が「自分はその道のプロ」と思い、指導をすることではないんですね。日本人は、つい相手に答えをもらって安心してしまいがちですよね。

 

■コア・コンピテンシーとは「発揮されるべき能力の要件」

 

チェリー:ところで、典生人語の中で「コア・コンピテンシー」について触れられていたことがありましたよね。そこにもコーチについて書かれていたかと思うのですが?

 

典生: コア・コンピテンシーとは、国際コーチ連盟(ICF)がコーチングを行なうプロフェッショナルの認定基準として定めた「発揮されるべき能力の要件」をいいます。

 

チェリー:そこではコーチングの基準があるんですね。そのICFについて教えていただけますか?

 

典生:ICFは、世界100カ国以上に2万人超の会員を有する世界最大のコーチングに関する非営利団体で、コーチングの体系的なトレーニングを提供するさまざまなプログラムの審査や認定、またコーチの能力についての審査や認定を実施しています。ここで定義しているものが、我々の憲法のような位置付けになってはいます。

 

■コーチングは定義やノウハウが全てではない

 

チェリー:コーチングには、世界共通の定義がないという点から考えると、ICFの定義もそれがすべてだと信じるのは危険なのでしょうか?

 

典生:信じるというよりは、それぞれが学習していくうえで、またプロとして仕事をしていく上での原則、基準と考えるべきでしょう。自分でそれが何を意味するのか、ということについて思索することが重要だと思います。

 

チェリー:コーチングのノウハウは、時代によって変わってくるものなのですか?

 

典生:原理原則はそう言うからには普遍性の高いものだと思いますよ。ただ原則に沿って何を為すかというのがノウハウだとすると、それは広がりや深まり、またある種のトレンドといったものがあるでしょう。だからこそ、逆に言えば原則を深く理解することが必要になります。

 

チェリー:普遍的な要素と変化、発展していくものとがあるんですね。

 

本日はコーチングについてのいちばんの基礎となる部分について伺いました。ありがとうございました。

【典生人語インタビュー企画 vol.21】『理念の時代』へ向けての心構えとは?

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今回は【典生人語インタビュー企画】の21回目、「『理念の時代』へ向けての心構えとは?」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■ビジネスの秘訣はコンパッション(思いやり)

 

チェリー:長いスパンで見据えたうえで、どのように理念やビジョンを作っていけばいいのでしょう?

 

典生:自分たちの活動が、どういう社会貢献になり、誰の幸せを生み出しているかということを浸透させていかなくてはならないですね。たとえば、「コンシャス(conscious)ビジネス」というコンセプトがあります。

 

チェリー:それはどういったことなのでしょうか?

 

典生:「LinkedIn」という企業のCEO、ジェフ・ウェイナーの従業員支持率は、なんと100%なんです。彼は、LinkedInにおける人材と経営の秘訣を「コンパッション(思いやり)。リーダーシップ、チームの行動指針をまずコンパッションとするようしっかり浸透させ、その結果、商品とサービスまでも思いやりに満ちたものにすることを目指す。」と言っています。
(出典: http://www.huffingtonpost.jp/mindful-leadership-institute/wisdom20-ceo_b_6967166.html

 

チェリー:意志をもってビジネスを行うときには、相手の気持ちを察する思いやりが大切なのですね。どうしてそうなっているかを考えるからこそ、共感でき、理解できるのでしょうね。

 

典生:さらにもうひとつ、ジェフ・ウェイナーはこう述べています。「企業に勤める個人は、企業のために働くのではなく、その上位にあるシステム(=社会)に対する自分の志を達成するために、企業というプラットフォームを 活用する。企業というプラットフォームがなければ、志の達成は難しいため、個人の企業へのかかわり(エンゲージメント)はより深くなる。」と。(出典: http://www.huffingtonpost.jp/mindful-leadership-institute/wisdom20-ceo_b_6967166.html

 

チェリー:つまり、企業は世の中のサブシステムで、個人は社会を見つめて仕事をするということなのですね。ところで、本当の意味での思いやりとはどういったものですか?

 

■本当の「思いやり」は、ただナイスに接して相手に同意することではない

 

典生:英語で「思いやり」は「同情心・慈悲」などと訳されることがありますが、ジェフ・ウェイナーの意味するところは違います。研鑽(ケンサン=学問などを深く究めること)し、卓越したものを相手に提供し、相手からも同じものを求めることをいいます。ですから、時として厳しさが思いやりとなることもあるわけです。

 

チェリー:すべての人に思いやりをもって接するには、精神力も必要となりそうですね。

 

典生:時には気に入らない人に対しても思いやりを持たなくてはならないですからね。いつも居心地がいいというわけにはいかないですよね。でも、それがリーダーの定めです。

 

■経営者自身がまず、理念やビジョンを咀嚼して固めることが重要

 

チェリー:これまでのことを見てきますと、従業員に理念やビジョンを咀嚼させる前に、経営者自身が咀嚼することが必要だということになるでしょうか?

 

典生:そうですね。経営者自身が社会貢献や自分の幸福などに向き合って、仕事の意味を見出していく必要がありますね。この場合、経営者をリーダーと置き換えてもいいですが。

 

チェリー:つまり、他人に理念を押し付ける前に、自分の中で咀嚼して「リーダー自身の哲学」をもつことが大事だということですね。

 

典正:以前にもお話ししましたが、リーダーシップのもっとも重要な要素は「自己認識(セルフアウェアネス)」なんです。

 

チェリー:その自己認識を高めるために、自分自身に投げかける質問にはどんなものがありますか?

 

典正:一例として、自分がどんな環境の中にいるのか、自分の発言がどんな影響を及ぼすのか、といったことでしょうか。リーダーシップの必須条件には、「バーティカル・ディベロップメント」もあげられます。

 

チェリー:バーティカル・ディベロップメントといいますと?

 

典正:価値観と行動を理解し、一致させる内面プロセスのことです。リーダーができてないのに、従業員がそうなることはありませんよね。ですから、社員がそうなれるように、仕組みを作っていこうという進化の過程を踏むのです。

 

■これからは理念の時代

 

チェリー:時代の大転換期には、経済や政治が混乱し、そのタイミングで新しい思想が生まれることが多いですが、これからは、どんな時代になっていくでしょう。

 

典正:理念の時代になるでしょうね。「物の時代」から、「心の時代」になっていくともいえるかと。物ありきで進む時代は終わったように思います。むしろ、今はそれと逆になりましたよね。
じつは、抽象度が高い普遍的なことを伝えるときには、経験や体験、エピソードといった個人的なエピソードが1番伝わるんです。

 

チェリー:具体的な例はありますか?

 

典正:紛争の現場において、対話で分かり合えないときに、ある少女が対立している部族に助けてもらったエピソードを話したら、初めて分かり合えたというようなことですね。

 

チェリー:個人のストーリーがもっとも周りの人に伝わるということですね。

 

典正:そうですね。個人の深い部分が大きな力となります。

 

チェリー:ということは、ストーリーテリングは社長にも必要ということですね?

 

典正:そうです。メッセージには、すべてストーリーがあります。その人の性格、価値観、人となり、大切にしているものを、社長が言語化してあげることが大切ですね。そうすれば、理念は行動指針となっていきます。

 

チェリー:今回は、理念の時代に向けてのリーダーの心構えについてお話を伺いました。ありがとうございました。

【典生人語インタビュー企画 vol.20】経営者が見据えるべきものとは?

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今回は【典生人語インタビュー企画】の20回目、「経営者が見据えるべきものとは?」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■非地位財産型の幸せは長続きする

 

チェリー:本日はまず、幸福度について伺いたいと思います。

 

典正:ここに「社会的課題解決のための活動参加意欲と幸福度の関係」という資料があります。
人はもともと、誰かの役にたっていると幸せなんです。デフォルトの状態でいうと性善説。それは、承認欲求にもつながります。

happiness

チェリー:確かに、億万長者でも不幸な人もいれば、スラム街の貧困家庭にいても幸せな人っていますね。

 

典正:人口知能の研究者から人間の幸福について研究者に転じられた慶應義塾大学の前野隆司先生(システムデザイン・マネジメント研究科)は、著書のなかで「地位財産型」他人と比べられる財・金・モノ・社会的地位)の幸せは長続きしないと述べています。これに対して非地位財産型(健康や安全など)の幸せは長続きすることが、研究でわかっているのです。

※上記と下記、資料の転載確認をしている時間がないので説明文にかえます。あまりにも我田引水的になってもどうかと思うので。

 

■幸福には4つの因子がある

 

チェリー:「幸福学の基礎」には、どういうものがあるのでしょう?

 

典正:前野先生の解説を引用させていただくと、
幸福には、①自己実現と成長 ②つながりと感謝 ③前向きと楽観(ポジティブ) ④独立とマイペース(自分がコントロールできる度合い)という4つの因子があるとのことです。

 

チェリー:経営者がこういう知識をもってなくて、昔の習慣のまま理念やビジョンを作っているから、無理やり感があるのですね。
すると、理念やビジョンを咀嚼してもらうためには「幸せ」になってもらえばいいということですか?

 

典正:そうですね。そのために、先ほどの4つの幸せの因子のどれかは必要ですよね。

 

■理念やビジョンが薄っぺらく見える会社は考えるふりをしているだけ

 

チェリー:経営者は、利益を追うだけの発想を変えて、時代が変わっていることを認識し、新しい世界観にいかないと、エンゲージのきっかけがつかめないということになりますね?

 

典正:そうですね。経営者は、組織を拡大する、利益を上げるといったところに幸福度を求めるのではなく、先ほどの非地位財産型の幸せをきちんと考えなくてはなりません。ひいては、それが経営理念につながっていくのですから。

 

チェリー:非地位財産型の幸せを盛り込んだ理念やビジョンを掲げているところも多いですが、薄っぺらいと感じられるものもあるのは、なぜなんでしょう?

 

典正:それは、事業性があるかという現実と照らし合わせて、リアルに練りこめていないからではないでしょうか。

 

チェリー:「考えているふり」をしているだけの会社も存在するということですね。

 

■頑張っても年収が上がらず、メンタルヘルスが失われていく時代

 

典正:次に、「国税庁の平均年収の推移」のグラフを見てみてください。頑張っても年収が上がらないのがわかりますよね。非正規雇用が増えたり、アジア圏の人たちの新卒採用をしているので、年収が下がっているのです。

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<「国税庁の平均年収の推移」のグラフ>

チェリー:頑張っても年収が上がらないのは辛いですね。

 

典正:もう一つ、「精神障害の労災の資料」を見てみると、心の病にかかっている人が増えています。メンタルヘルスが失われているんですね。

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<「精神障害の労災の資料」>

チェリー:経営者が、このような情報を見ていないということですね?

 

典正:そうです。これらはすぐに手に入る情報ですが、すぐに手に入る情報さえも、ちゃんと見ていないと、今までのやり方が通用しないということに気づくことができません。
さらに、これもすぐに手に入る情報の一つですが、日本は確実に世界で希に見る少子高齢化を伴う、人口減少社会に突入しつつあります。

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<「日本の過去・現在・未来」という人口の推移の資料>

チェリー:このグラフを見ると、将来、大変なことになりそうですね。

 

典正:ですから、経営者が1年や2年の短いスパンでなく、この資料のように長いスパンで何をやっていくべきかを考える必要があります。そのことが、エンゲージメントを構築することにつながるのです。

 

チェリー:本日は経営者が見据えるべきものについてお話を伺いました。ありがとうございました。

【典生人語インタビュー企画 vol.19】エンゲージするために知っておくべきこととは?

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今回は【典生人語インタビュー企画】の19回目、「エンゲージするために知っておくべきこととは?」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■エンゲージメントは愛着心であり、会社と個人の一体感

 

チェリー:従業員と組織のエンゲージメントは、理念をもとに行っていくのでしょうか?

 

典正:じつは、理念がなくても「和気あいあいと仲良くやっていこう!」という想いだけでもエンゲージはできるんですよ。ただビジネスを行なう組織としては、長くは続きません。理念はエンゲージメントの要素として重要なものなのです。

 

チェリー:そうなると、エンゲージメントは、たとえば「長く続く愛着心」ととらえていいですか?

 

典生:理念や組織としての在りたい姿に納得、共感できている状態で一人ひとりが働くことができれば、必然的に持続性は高まるのではないでしょうか。

 

チェリー:つまり、社員がそこで働く意義を見出している状態ですか?

 

典正:そうですね。

 

•終身雇用の時代には、エンゲージの度合いは高かった

 

チェリー:昔と違い、今は転職が当たり前のようになってきていて、従業員のエンゲージメントの仕方も変わってきている気がするのですが……。

 

典正:終身雇用や年功序列が当たり前だった時代には、エンゲージの度合いは高かったと思います。それは、会社にも個人にも、「これをやっていたら、これが実現できる」という指標が明確にあったからです。
会社の業績が上がれば自分たちの給料が上がる、つまりお互いが豊かになることが幸せにつながるという、シンプルでわかりやすい図式があったんです。

 

チェリー:昔は世の中の流れがエンゲージしやすい環境だったということですね。

 

典正:世の中が後押ししてくれていたと言えるでしょうね。転職が当たり前という、働き方のスタイルが変わってきた今は、どうやってエンゲージしていくか……。ちゃんとスキルをもっていないと厳しい時代ですね。

 

■本当にエンゲージしていくためには、これまでの枠を取り払う必要がある

 

チェリー:企業がどこに戦略をおけばいいのか見出せなかったり、経営者自身が迷っていることが多いように思うのですが?

 

典正:右肩上がりの時代ではなくなったのに、今までの発想のまま、惰性で考えていてはダメですね。たとえば、ニッチは存在しないのに、ニッチを探して、その中でやる気を引き出そうとか、立派な理念をもった会社になろうといったような作為的なことは、すぐにバレてしまいます。

 

チェリー:本当にエンゲージしていくためには、これまでの枠を取り払っていかなくてはならないのですね。

 

■GDPと個人の幸福感は比例しない

 

典正:仕事場の現状として、こんな資料があるんです。

gallup2013survey
<ギャラップ2013年の資料>

これを見ると、ほとんどの人が自分の仕事に心を注げていないことがわかります。

 

チェリー:ちょっと驚く数字ですね。この現実を踏まえ、どういった枠を取り払えばいいのでしょう?

 

典生:GDP(国内総生産)を拡大することが成長の指標になるというのは、20世紀の発想です。今は、GDPと個人の幸福感は比例しない、それどころか、あるところからは反比例するという客観的な見解が出ているのに、その事実についていけていない会社が多いんです。この枠を取り払うことはひじょうに大事です。

 

■現実とのタイムラグに気づき、考え方を切り替えることの重要性

 

チェリー:この現実とのタイムラグに早く追いついて、考え方を切り替える必要がありますね。

 

典生:先ほどの幸福感についてですが、年収が800万円が最も幸福感が高く、それを境に幸福度が下がっていくという面白い調査結果があるんです。

 

チェリー:そうなんですか! 収入が高ければ高いほど幸福感が上がると思っていました。その根拠はどこにあるのでしょう?

 

典生:たとえば、パソコンのスペックが上がったからいって、必ずしも幸せになるとは限らないですよね。他にもガラケーがスマホになったとしても、車がすべて自動になったとしても幸せになるかというと……そうとは限りませんよね。

 

チェリー:経済の成長と幸せはイコールではないんですね。すると、「お金ではない何か」がエンゲージメントにつながっているということになりますよね?

 

典生:じつは、科学が発達し、脳の働きが見えるようになってきたので、幸福度を客観的にとらえることが可能になっているんです。

 

チェリー:幸福度まで科学的にわかるのですね。本日は本当にエンゲージするために知っておくべきことを伺いました。ありがとうございました。