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【典生人語インタビュー企画 vol.28】 「コーチングのあるべき姿とは? 」

ブログやウェブサイトの製作でお世話になっているチェリーさんから、私の仕事についてインタビューを受けて記事をまとめてもらいました。


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今回は【典生人語インタビュー企画】の28回目、「コーチングのあるべき姿とは? 」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■スキルの高低、モチベーションの高低で変わってくるコーチング

 

チェリー:コーチをつけるにあたって、その人のスキルやモチベーションで変わってくることはありますか?

 

典生:担当職務の中でのスキルが高いか低いか、モチベーションが高いか低いかの軸で見たときに、まずスキルが低い人は、その職務の専門家でない外部のコーチングをつけてもマッチしません。意欲が高くてもスキルが低い人は、コーチングよりもトレーニングですね。そのどちらも低い人は、コーチング以前に採用や配置の時点での問題かと思います。

 

チェリー:コーチングの効果が出やすいのは、どういった人たちですか?

 

典生:コーチングは相手がもっているリソースをどう使えるようにするのか、そのサポートという意図があります。一般論ですが、最も効果が出やすいと言われているのは、ある程度の知識・技能を持っている上で、心理状態が安定していて、考え方のパターンを広げたいと思っている人たちに対して行うコーチングです。

 

チェリー:知識、技能というよりは、モチベーションを上げて潜在能力を引き出すことがコーチの任務なんですね。

 

■コーチングは、問題解決の選択肢の中のひとつ

 

チェリー:例えば、離職率何割以上になれば、コーチングを取り入れた方が良い、といったような、経営者がコーチングを取り入れようとするときの基準はありますか?

 

典生:離職問題やメンタル問題など、何かしらの問題が起きていている場合、原因を探っていきますよね。その解決策の選択肢のひとつにコーチングがあるので、こうなったから取り入れるといった定型的なものはないですね。

 

■コーチングとコンサルティングの違い

 

チェリー:コーチングとコンサルティングの違いがわからなくなってきたのですが、二つの違いを教えていただけますか?

 

典生:コンサルティングは、人事コンサルティング、財務コンサルティングなど、自分の専門領域を生かし、そのメソッドやノウハウを売って行くことが主眼です。それに対して、コーチングは、クライアントを職務や人生の専門家とみなして、本人が自走していけるようにサポートします。コーチは、その環境づくり、そうしたプロセスをつくりだしていくための専門家と言えます。これらは、国際コーチング連盟では明確に区別されています。
ICF 国際コーチ連盟日本支部HP「コーチングについてのよくある質問」

 

チェリー:コンサルティングとコーチングが重なり合うことないのですか?

 

典生:ひとりの専門家の中では、ある部分ではコンサルティングを行い、ある部分ではコーチングをしているという場面はたくさんあります。しかし、そのふたつの専門性はきちんと線引きされています。

 

■自走していけるようにサポートするのがコーチング

 

チェリー:先ほどのお話の中の自走していけるようにサポートするというのは、どういったものですか?

 

典生:本人が自分で成果を上げていくためのサポートと、目標成果を出すために学習を積み重ねていくためのサポートがあります。例えば、甲子園で優勝したけれども、指導者の言われるがまま連投して、肩を痛めてダメにさせてしまうというのは、コーチングではないのです。

 

チェリー:具体的なノウハウや知識を指導するのがコンサルティングで、モチベーションなど精神的なものを指導するのがコーチングと言えますか?

 

典生:コーチングは、もちろん、精神的なものとは切り離せませんが、それだけではなく具体的なアクションにフォーカスしていきます。基本的なパターンとして説明するならば、まず目標を設定します。次に現状の洗い出しを行い、現状とゴールイメージのギャップが分かったときに、どうやって進んでいけば良いかのアクションプランを練ります。それまでのスモールステップや、どの辺りまで進んでいるかという定量的なものさしも作ります。

 

チェリー:アクションを可視化して、本人が目標に向かって進めるためのサポートですね。

 

■見えないメンタル部分にも焦点をあてるコーチング

 

典生:目標がぶれたり、行動が伴わないときには、やろうと思っていることに自分の価値観がそぐわなかったり、目標が「ねばならない」的なもので自分の願望と違っていたりすることがあります。また、人間関係もからんで、先入観や固定観念が邪魔をしていることもあります。このようにコーチングは、氷山の見えないところも扱っています。

 

チェリー:その見えないところが精神的な部分なのでしょうか?

 

典生:そうですね。実はその見えない精神的な部分が重要なんです。氷山の見えるところと、氷山の奥の見えないところの両方を見ていかなくてはならないのですが、どちらにどう重きを置くのかはその人の状況次第です。

 

チェリー:コーチングを受ける人に合わせて、見えるところだけでなく、見えないところも見ていかなくてはならないわけですね。

 

■コーチングは聞き役であること

 

典正:コーチングを受けている個人やチームは、コーチの支援を得ながら、自己発見を基本とした手法や枠組みの中で、達成できそうな解決策を自分たちで作り上げることが前提とされています。

 

チェリー:コーチングは、自分たちが中心となって問題解決の糸口を探すわけですね?

 

典生:そうですね。おもしろい例で、ロールプレイングをさせると、コンサル出身の人はとにかく自分が喋るので、すぐにわかります。コーチはクライアントのアジェンダを共有する、聞き役である必要があります。相手が7、自分は3くらいの割合でしゃべるのが一つの理想的なイメージですね。

 

チェリー:トップセールスマンは、聞き上手と言われますが、コーチングと共通する部分がありますね。

 

典生:コーチは、クライアントが喋りたいことを喋るための手伝いもしますし、喋らなくていいことを喋らないでいいようにする手伝いもします。これはひとりではできないことです。自分のテーマを話しながら何かを思い出したり、ひらめいたりすることがありますが、脳の神経細胞が活性化されていっているんですね。

 

チェリー:たとえば、電器屋さんに行ったときに、必要のない知識まで一方的にしゃべる店員さんからは買う気にならないですが、こちらの要望をじっくり聞いてくれる店員さんなら買おうかなという気になります。

 

典生:お客さんが何を望んでいるのか、じっくり聞いて、それにフォーカスして自分の知識をしゃべることが大事です。聞いてあげることによって専門性が生かせますよね。

 

チェリー:本日は、コーチングとはどのようなもので、行うにあたって気をつける点はどこかについてお話を伺いました。ありがとうございました。

【典生人語インタビュー企画 vol.27】 「コーチングを活用している企業の事例」

ブログやウェブサイトの製作でお世話になっているチェリーさんから、私の仕事についてインタビューを受けて記事をまとめてもらいました。


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今回は【典生人語インタビュー企画】の27回目、「コーチングを活用している企業の事例」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■コーチングには約4種類の取り入れ方がある

 

チェリー:どのようなコーチングの取り入れ方があるのでしょうか?

 

典生:大きく分けて4種類の取り入れ方があります。

 

チェリー:まず、ひとつ目から教えていただけますか?

 

典生:まず、経営幹部層に対して、1対1でコーチをしていく“エグゼクティブコーチング”と言われるものがあります。

 

チェリー:コーチングを行う相手が違うわけですね? 次はどのような層に向けてのコーチングでしょうか?

 

典生:中間管理職層に向けてのコーチングです。業務で活かすためにコーチングを学び、部下のマネジメントに反映していくやり方です。集合研修との合わせ技のようになりますが、受講者が自分の学んだことを、部下のマネジメントや育成、会議の回し方などに実践していきます。

 

チェリー:学んだコーチングを部下のマネジメントに生かすわけですね。

 

典生:3つ目として、同僚同士が定期的に1対1でコミュニケーションをとっていく“ピアコーチング”があります。これは、1対1のコミュニケーションを職場の中で定着させることにより、自分の部門だけではなく、会社の中の色々な人たちと交流し、風通しを良くすることを目的としています。

 

チェリー:同僚同士のコミュニケーションが良くなると、職場全体のコミュニケーションも良くなるというわけですね。では、最後の4つ目の取り入れ方を教えてください。

 

典生:日本ではまだ定着した事例は少ないかと思いますが、社内で体系的なトレーニングを受けて認定資格を取った人をつくり、社内コーチングをしていくという方法があります。これは、専任職ではなく、自分の業務を行いながら、希望者にコーチングをしていきます。

 

■コーチは、全体を把握しておく必要がある

 

チェリー:こう見ていきますと、人材開発を始め、コーチに求められるスキルやノウハウは広いですね。

 

典生:そうですね。ある程度領域を絞って、“こういう分野のコーチングを専門にしています”というやり方もあります。ただ個人に対しては、それでもいいでしょうが、会社で行う場合には、風土的なことも含め、社内でのさまざまな兼ね合いがあるので、全体が見えていないと機能しないことはあるかと思います。

 

チェリー:コーチが全体を把握していることが重要なのですね。

 

典生:どこでどのようにコーチングを活かしていくか、人材育成全体をシステム的にとらえる視点も必要だと私は考えています。

 

チェリー:コーチングを活かしていくために、しなくてはならないことが、たくさんありそうですね。

 

典生:コーチングを受ける人ときちんとした合意がとれていない、ちゃんとしたゴール設定がなされていない、事前にきちんとしたデータを集めていないなど、そういったことでの失敗もあります。

 

■正しく行えば、エグゼクティブコーチの投資対効果は7倍

 

チェリー:企業がどのような姿勢でコーチングを取り入れるかが、重要ですね。ところで、ニューヨークで、エグゼクティブコーチングサミットが開催されていますよね?

 

典生:投資対効果で見ると、エグゼクティブコーチで7倍くらいの効果が見込めました。それは、きちんと導入していった場合の数字です。けれども、同時にそのマーケットが広がれば失敗例も多いですね。コーチングは、基本的なことをしっかりおさえて行うことが大切です。

 

チェリー:失敗事例の中には、コーチだけでなく企業側にも要因があるということもありますよね。

 

典生:そうですね。コーチングに対する取り組み方で効果は大きく違ってきますから。

 

チェリー:本日は、コーチングの種類、コーチに求められるものとは何かについてのお話を伺いました。

【典生人語インタビュー企画 vol.26】 「欧米では当たり前のコーチングが、日本ではなぜベーシックではないのか」?

ブログやウェブサイトの製作でお世話になっているチェリーさんから、私の仕事についてインタビューを受けて記事をまとめてもらいました。


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今回は【典生人語インタビュー企画】の26回目、「欧米では当たり前のコーチングが、日本ではなぜベーシックではないのか? 」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■管理職向けの研修として導入されて広がっていった日本のコーチング

 

チェリー:コーチングは世界的にみると、どのような流れで広がっていったのでしょうか?

 

典生:コーチングは、イギリスが発祥の地です。その後、アメリカで広まり、欧州や日本、などの先進国、次にシンガポールや香港などアジア地域という順に広がっていきました。

 

チェリー:世界的に広がりつつあるコーチングですが、日本とその他の国で、広がり方に違いはありますか?

 

典生:日本では、中間管理職向けの集合研修として導入するという用途から広がり始めました。それに対して欧米の場合は、エクゼクティブが1対1のマンツーマンでコーチをつけるというスタイルで導入されてきたという違いがあります。

 

チェリー:それは、国民性の違いからくるものなのでしょうか?

 

典生:日本は研修など、集合で学習するのが好きな国民性ではありますよね。コーチングに限らず、集合研修を取り入れる日本の企業は多いです。

 

■集合研修というイメージで始まった日本におけるコーチング

 

典生:日本では研修がクローズアップされ、コーチングといえば集合研修という認識になっていきました。そのイメージから始まったので、言葉としての認知度は上がったものの、コーチングの真の理解が深まっていない、という状況が広がったように思います。

 

チェリー:つまり、「集合研修=コーチング」ではないということですね?

 

典生:集合研修はコーチングについて学ぶもので、コーチングはコーチとクライアントが一対一の関係で、クライアントの目標達成などを支援していく関わりです。

 

チェリー:今もその間違った認識のままなのですか?

 

典生:その違いが理解されるまでには時間がかかりましたが、やっと理解されるようになってきました。今は、それをどう運用していくかという段階に来ています。

 

■集合研修の形から1対1のサービスに移行しつつあるコーチング

 

チェリー:以前は人事部が導入し、中間管理職がコーチングを学ぶというやり方だったわけですよね? その場合、エグゼクティブ自体がコーチングを学んでいないので、コミニュケーションエラーが起きそうな気がするのですが。

 

典生:そうですね。こういうやり方では定着しないことがわかってきました。ですので、パイオニア的にコーチングのトレーニングを行ってきた会社が、今では集合研修としてのコーチングは提供しなくなってきています。

 

チェリー:コーチングの導入の形が変わってきたということですね?

 

典生:1対1のサービスが徐々に増えています。一社あるいは一部門に対して複数のコーチが入り、コーチもチームとして対応していくという形をとることも多くなっています。ひとりだけ良くなっても、組織のパフォーマンスアップにはつながっていかないので、それを向上させるやり方に変わってきました。

 

■効率の良いコーチングは、影響力の大きい人から始めること

 

チェリー:誰を選んでコーチングを始めるのか、その選ぶ基準を教えていただけますか?

 

典生:次世代リーダー候補から始めようというケースや、まず現役の役員から始めようというケースもありますが、期待されているパフォーマンスと現状のギャップを埋めるという点で、影響力の大きい人からコーチングをしていくのが、効率の良いやり方だと思います。

 

チェリー:ところで、ハリウッドのセレブたちは、自分にセラピストをつけると耳にしたことがありますが、日本ではあまりそのようなことは聞かないですよね?

 

典生:欧米のセレブたちは、自分たちの相談役として、コーチやセラピストをつけることも多いですね。向こうでは、それがステイタスになっていますから。癒すとかケアするというより、自分が良くなっていくためのコーチやセラピストの存在が、社会的に認知されていますしね。その辺りは日本との文化の違いじゃないでしょうか。

 

チェリー:確かに日本では、セラピストをつけたり、カウンセリングを受けたりするのは、一般的ではないように思います。

 

典生:80年代に、大手企業が人事部主導でカウンセリングルームを作ろうとして、ことごとく失敗したことがあります。メンタル的に病んでいる人がそこに来るというイメージがあって、それを人事に知られることになるわけですから当然ですよね。

 

チェリー:コーチングは前向きなイメージですが、カウンセリングやセラピーというと、病んでいる人に対して行うというマイナスイメージがありますよね?

 

典生:面白いことに、アメリカではセラピスト出身の人がコーチとして活躍していることが多いんです。

 

チェリー:なぜ、その人たちは、セラピストからコーチに転身したのでしょう?

 

典生:病んでいる人を相手にするより、会社のCEOなどを相手にしたほうが自分にとっても健全性を維持しやすい、という理由があるのかもしれません。

 

■“経営戦略ありきの人事”の欧米。“人事ありきの経営戦略”の日本

 

チェリー:欧米では集合研修的な制度は少ないのですか?

 

典生:欧米は典型的な成果主義ですから、即戦力が問われます。トレーニングというのは、積み上げて底上げしていくために投資していくものなので、いつ辞めるかもしれない人にそれを行うことはあまりなくて、秀でた人だけに1対1でコーチをつけることが多いですね。他の人に、まったくトレーニングを行わないということはではありませんが。

 

チェリー:日本では、定年まで勤めあげるというのが一般的な考え方でしたよね? 欧米ではそうでないので、集合研修的な制度が少ないということにもなりますか?

 

典生:日本企業の場合、『入社何年目だと、だいたいこういう役職についているから、その人たちには、こういう研修』ということが多かったですね。日本は平等主義で、たとえていうなら幕の内弁当のようなもので、カスタマイズしないんです。世界的トップにある会社は、人事のトップが経営と直結していて、経営戦略の観点から網羅的に人事をとらえています。

 

チェリー:つまり、欧米は“経営戦略ありきの人事”であり、これまでの日本は“人事ありきの経営戦略”といえるわけですね。

 

典生:そもそも人事と経営が分断されている、といったほうがいいでしょう。最近変わりつつありますが、日本は、「労務管理的な人事=人事」でしたね。

 

チェリー:今の日本において人材開発は最重要課題といえるかと思います。ところで、全米でのエグゼクティブコーチングに使われている金額が大きいと聞きましたが?

 

■欧米と日本ではエグゼクティブコーチングに使われる金額に雲泥の差がある

 

典生:年間、1,000億円使われていると言われています。日本でも一部のトップは、エグゼクティブコーチングをつけていますが、認知度や拡がりという点ではまだまだ開きがありますね。欧米では名だたるエグゼクティブがコーチをつけますので、そのくらいの額になるんだろうと思います。

 

チェリー:それにしても1,000億円とはびっくりですね。

 

典生:人材開発の中のひとつの切り口がコーチングですから、それだけの金額をかける価値があるということだと思います。

 

チェリー:本日は欧米と日本とのコーチングにおける違いについて伺いました。ありがとうございました。

【典生人語インタビュー企画 vol.25】 「コーチの適性度」は測れるか」?

ブログやウェブサイトの製作でお世話になっているチェリーさんから、私の仕事についてインタビューを受けて記事をまとめてもらいました。


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今回は【典生人語インタビュー企画】の25回目、「コーチの適正度は測れるか?」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■コーチの適性を測るツールはあるか?

 

チェリー:ところで、コーチ側の適性度、その基盤があるかどうかは測れるものなのですか?

 

典生:コーチというプロフェッション(職業)に求められる要件は非常に多様で複雑な要素が絡んでくるので、これで適性が分かりますと単純には言えません。基本的には先にこのインタビューでお話した倫理観や、人としての誠実さや思いやりといった人格的な部分は重要でしょう。ただし「いい人」であれば済むかというと、そうではありません。やはりビジネスや人生の難しい課題を扱っていくうえでは、社会に関する基礎知識や学習能力も重要だと思います。それらすべてを確実に測定することはできませんけどね。

 

■コーチは正しいコーチングを行うために、自らもコーチングを受けるべき

 

チェリー:コーチの方が、よりよいコーチングのために、何かなさっていることはありますか?

 

典生:独りよがりになったり、自分の視点に縛られないよう、「コーチ自身がコーチをつけなさい」とよく言われます。コーチとしての基盤を保つためにも必要ですね。
 
僕は1ヶ月に1回、コーチングを受けていますし、テーマでワンショットなど、お願いしています。

 

チェリー:たしかに。自分だけで行っていると、正しいコーチングができていないことがあるかもしれませんね。

 

典生:コーチングがわかっていないのに、コーチングを教えている人が結構いるということも、よく耳にしますし、一方で、ドリームコーチ・ドットコムの研修ではコーチとしての活動をすでにしている人が多くいらっしゃいますね。

 

■日本におけるコーチングの浸透度は低い

 

チェリー:現在の日本におけるコーチングの浸透度はどのくらいですか?

 

典生:大手企業の経営層、組織開発や人材開発の担当者であれば、ほとんどの人が用語としては知っています。実際にコーチングを受けている人、受けた経験のある人も多いし、研修を受けたことがある人となれば、さらに多いでしょう。中堅・中小企業の場合はトップや経営層の関心と意向によるところが大きいので、かなりばらつきがあると思います。

 

チェリー:コーチングは、“期間”での契約ですか? それとも成果が出るまでとかの契約ですか?

 

典生:人によって違います。コーチングを提供する会社やコーチ自身が、クライアントに提案したり協議してそれぞれ決めていると思います。

 

■NLPはセラピーの手法でコーチングとは異なる

 

チェリー:NLP(神経言語プログラミング)にもコーチ認定プログラムがありますが、そのふたつの違いは何ですか?

 

典生:NLPは厳密に言うと、セラピーの手法です。
 
ブリーフセラピーというやり方が考案され、NLPはその中のひとつです。「可能性に目を向けていく」、「強みを発見していく」というアプローチは似ていますが、ただ、対象者がケアを必要としているかどうかの点で異なります。
 
コーチングとNLPの境目があいまいになっていますがICFはNLPの考え方をコンピテンシーに入れていません。

 

チェリー:本日は、コーチの適性度は測れるか、測れないとしたら、コーチ自身がどのような努力をすべきかを中心にお話を伺いました。ありがとうございました。

【典生人語インタビュー企画 vol.24】 「コーチングにおける2種類の質問」とは?

ブログやウェブサイトの製作でお世話になっているチェリーさんから、私の仕事についてインタビューを受けて記事をまとめてもらいました。


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今回は【典生人語インタビュー企画】の24回目、「コーチングにおける2種類の質問とは?」となります。聞き手担当は“典生人語事務局”のチェリーです。


■質問には「for you」の質問と「for me」の質問がある

 

チェリー:コーチングでは質問が大切だという話を聞きますが、良い質問をするための原則について教えてください。

 

典生:なかなか一口で言うのは難しいのですが、たとえば「コーチだからいい質問をしないといけない」などと考えて、相手のことをちゃんと見られなかったりする。つまり、自分のための質問になってしまう、ということがよくあります。

 

チェリー:自分のための質問といいますと?

 

典生:「チェリーさん、この辺りでいい喫茶店ありますか?」といったものが「for me」の質問です。
それに対して「チェリーさん、これからあなたの会社をどんな会社にしていきたいですか?」というような質問が「for you」の質問です。

 

チェリー:なるほど。質問には、その2つがあるのですね。

 

典生:ただし、ひとつひとつの質問が「for you」のつもりで矢継ぎ早に質問を重ねていくことで、その質問が「for me」に変わってしまうこともあるので、気をつけなくてはいけません。

 

チェリー:そういえば、某有名企業の社長さんとお話させていただいたときに、自分の利益になるためだけの「for me」の質問しかなく、なんとも言えない違和感を感じたことがありました。

 

典生:それは典型的でわかりやすい事例なんでしょうが、実際には気付きにくい事例の方が多いんです。だからこそ、コンピテンシーで最初に出てくるのが「倫理」なんです。

 

■コンピテンシーにおける4つのカテゴリ

 

チェリー:最初に出てくるのが「倫理」ということは、コンピテンシーには、いくつかのカテゴリがあるのでしょうか?

 

典生:コンピテンシーのカテゴリには次の4つがあります。
 
Aコーチとしての基盤を整備する……倫理指針とプロフェッショナルの基準
B.関係性を共に築く……コーチングの相手に理解してもらう(合意形成)
C.効果的なコミュニケーション……積極的傾聴や人を動かす質問
D.学びと結果を促進させる……コミュニケーションスキルを使ってコミュニケーションをデザインしていく

 

チェリー:もっとも重要なのはAということでしょうか。

 

典生:すべて重要ですが、Aがないと先につながらないということです。

 

■本来のコーチングは相手に自ら気づいてもらうこと

 

チェリー:Aがその基盤となるということは、倫理観のあるなしをはじめ、コーチになっていい人となってはいけない人があるような気がしますが?

 

典生:そうですね。職業倫理が順守されていることは大事です。一方、コーチに関しては、トレーニングの仕方にも課題があるんです。出発点が違うと、同じことを学んでも別のものになって吸収されたりすることがあるので。

 

チェリー:その違いはどういったところから生まれてくるのでしょうか?

 

典生:これは無意識の領域ですが、「私がコーチングをする」という感覚の人もいれば、「コーチングが私にさせる」感覚もありえる。なかなか実践していかないとわからないと思いますが、わからなくても出発点がどちらにあるか、誰から、どこで学ぶかが重要だと思います。

 

チェリー:「気づき」は相手が自発的に得るもので、コーチが無理に何か引き出すというものではないということでしょうか。

 

典生:自発的というか、必要なときに生まれてくる、ということかもしれません。少なくともコーチの優れたスキルがあれば、必ず気づきが生まれるといったものではない。コーチはときにはいなくなったほうがいいこともあるし、もっと強く関わっていったほうがいいこともあると思います。いずれにせよ、自分の身につけたやり方やスキルを使って「相手を変えようとする」のはコーチングではない、というのが私の考えです。

 

■コーチングは対等な立場が理想

 

チェリー:よく「メンター」という言葉を耳にしますが、それとの違いはどこにあるのですか?

 

典生: 一般的には、その道の経験者が後輩をサポートしていくことをメンタリングと言っています。
企業においては、ひとりずつ担当して経験を生かしてサポートしていくといったようなことです。
コーチングの場合は対等な立場が理想なんです。ただ、大前提として「優劣がつきやすい」ということは、プロは知っておかないといけないと思います。

 

チェリー:優劣がつきやすいといいますと?

 

典生:クライアント目線で見ると、してもらっているのが自分になり、コーチが専門家である、と潜在意識で思いやすいということですね。そのときに、いき過ぎている関係性があったら修正していくという姿勢が大事です。

 

■コーチングは健常な状態の人のパフォーマンスを上げていくこと

 

チェリー:セラピーとの違いはどこにありますか?

 

典生:セラピーは、一般的には、何らかの精神的なダメージを負っている人に対して、行動を起こせない状態をケアして健常な状態に戻すのを目的としています。

 

これに対してコーチングは、ざっくり言うと、健常な状態の人のパフォーマンスをどう上げていくかという点で異なるかなと思います。

 

ですので、セラピーを求めている人とコーチングの契約をすることは倫理違反になります。

 

チェリー:その辺りの線引きは難しかったりするのでしょうね。

 

典正:わかりにくい場合には無理に働きかけず、そういうケースに遭遇した場合には、しかるべき専門家を紹介することになっています。

 

グレーゾーンが多いので、その判断をするのはとても難しいので、さまざまな質問や、自身の経験から判断していくしかないですね。

 

チェリー:本日はコーチングでの正しい質問の仕方や気をつけるべきことを中心にお話を伺いました。ありがとうございました。