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逆効果の応急処置

1
入試をやめて、教師を入れ変えれば、
たちまち校風が変わるのだろうか。
それは、不祥事を起こした企業において、
当事者たる部門の管理職全員を配置転換して、
マネジメント人材を総とっかえするようなものだ。
この部門はもともとスペシャリティの高い職務を担うところで、
入社してくる人材も会社というより、その仕事をめざしてくる。
それでも
「職種別採用は停止したので、この仕事はできません」
「通常の総合職採用への門戸を開放します」
で、通用するのだろうか。
これをやって、「風土を‟0”にする」と言う、橋下市長の話す意味がわからない。
風土ってそう簡単に変わるものではないし、
一つの組織でも部門によってかなり違うこともある。
突然、今までの受験に向けた努力を反故にされかけている子どもたちは、
大人に対して、学校に対して、そして社会に対して、
どんな印象を抱くだろう。
極めてセンシティブな15歳の冬に。
その影響は、計り知れない。
複雑な問題を簡単に力づくで解こうとするから、こういうことになる。
体罰(もっと広くとらえれば、コミュニケーション不全)という症状は、
学校の枠組みを超えた複雑性の高いシステムから生まれている。
そこに体育科の試験中止等々の外科的療法で対処するのは、
あくまで混乱期の応急処置だ。
しかし応急処置にもさまざまな選択肢があろう。
ボクは、この橋下市長の選択肢がベターだとは思わない。
なぜならば、それは受験生たちの選択肢を奪うものであり、
広くとらえれば教育の多様性が失われていくものだと思うから。
こういうやり方が続けば、
それは、ある程度の時間をおいて、副作用となって現れてくる。
学校と生徒や父母、地域、スポーツ関係者、教育の専門家・・・。
すべてのステークホルダーが当事者として、
この悲しい現実から目を背けないで未来を探ること。
それ以外に、亡くなった少年に報いる方法はない。
ボクは橋下徹という人を、どちらかと言えば支持してきた立場なのだけど、
この問題に関しては、明らかにNOだ。
そして、自分が今の立場において思いつきで発言することが、
どれほどの影響を持つのかということに気づいてほしい。
それを諭す人が周囲にいないとすれば、
ことによると彼のリーダーシップはもう限界かも、とさえ思う。
< お知らせ >
2月8日に、「逆効果の応急処置」と「問題の転嫁」という二つのシステム原型を使った勉強会・・・「システム原型を使ったビジョンづくりの勉強会」を開催します。
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吉田典生の新刊
召命 Calling ~未来から「今」を変える一人ひとりのリーダーシップ 
Cover_calling_2

電子書籍販売サイト徹底比較

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手軽にサラサラっとダウンロードして読めるサイトはどこ?
べつにIT系に強いわけでもなく、スマホすらまだ使っていない
「ふつうのオッサン」目線による、素人的比較です。
キンドルストア
・蔵書数 
160万弱
・ジャンル
 一般書籍、学習教材、コミック、
・対応端末
 kindleシリーズ、タブレット(ipad、Android)、スマホ(iPhone、Android)
・感想
 現時点では圧倒的な蔵書数。アマゾンで紙の本を買い慣れている人は、
サイトデザインが共通なのでなじみやすいはず。
・総合評価
 ☆☆☆☆
紀伊国屋BookWeb・蔵書数
10万冊以上
・ジャンル
 一般書籍、コミック、ライトノベル
・対応端末
PC(Windows、Mac)、タブレット(iPad、Android)、
スマホ(iPhone、Android)、iPodtouch、ソニーReder、パナソニックUT-PB1
・感想
 端末、OSの選択肢の豊富さはピカ一。iPadで試したところ、
キンドルは指でタップ、滑らせる、どちらの方法でもページをめくれるが、
kinoppyはタップのみなのが個人的には残念。
・総合評価
 ☆☆☆☆ 
BookLive・蔵書数
8万タイトル弱
・ジャンル
 書籍、マンガ、ライトノベル、雑誌
・対応端末
Lideo(BookLive用の電子書籍専用端末) PC(Windows)、
スマホ(iPhone、Android)、タブレット(ipad,Android)、ipodtouch、
windowsphone(日本におけるキャリアはau)
・感想
スペック的には対応しているはずのWindowsパソコンで表示されず、
購入済の状態でiPadに入ったら問題なく表示できた。
が、トップページに戻る方法が?? 
購入後の表示トラブルを防ぐために試読を勧めているので、
利用する場合は慎重に。個人的な好みでは、サイトデザインが今イチ。
・総合評価
☆☆☆
GALAPAGOS STORE・蔵書数
 未確認
・ジャンル
 一般書籍、コミック、雑誌、新聞 
・対応端末
 タブレット(Android)、スマホ(Android、iPhone)、ブックリーダー(ドコモSH-07C)
 ※シャープのAquos PHONEの多くはGARAPAGOS用アプリがプリインストール
されているが、なぜかドコモ系の機種はプリインストール機種が少ない。
・感想
 ユーザー登録やアプリダウンロードから閲覧に至る作業が、ちょっとわかりづらいか
も。これも指を滑らせてページをめくる方式だが、ボクのipadでのフィーリング
は今イチ。スマホで手軽な読書向けかな。
 ・総合評価
  ☆☆
セブンネットショッピング ・蔵書数
  未確認
 ・ジャンル
  一般書籍、コミック 
 ・対応端末
  WindowsPC、iOS、Android対応となっているが、サイトをみると閲覧のトラブル
がかなり報告されており対処中とのこと。現状あまりお勧めできないなあ。
 ・感想
 ヤフーIDから購入できるはずがうまくいかず、新たに登録しなおしてもなぜか
ダウンロードできず。購入したきり立ち往生!?
そもそも書籍専用のサイトになっていないので、わかりにくい。
 ・総合評価 
 上記の理由で評価不能。とはいえ、動作環境的には問題ないはずの状態でのトラブルだから、
個人的には良い評価は下せない。あえて付けるとすれば☆
Sony Reader Store・蔵書数
 66000冊(2012年10月時点)
・ジャンル
 一般書籍、コミック、ライトノベル、雑誌
・対応端末
 Reader(ソニーの電子書籍用端末)、スマホ(Android)、タブレット(Android)、
PlaystationVita(コミックおよびゲーム攻略本のみ対応)
・感想
 まだ何となく「ハードを売るためのソフトビジネス」の匂いを感じるのは偏見?
マックユーザーは対象外、PCでも読めない、ではなあ・・・。私の環境では利用できず。
・総合評価
 上記の理由で評価不能、と言いたいところだが、
選択肢の狭さはマイナスと判断するべきかと思うので☆
コンテン堂・蔵書数
 未確認
・ジャンル
一般書籍
・対応端末
 PC(WindowsXP,Vista,7)、タブレット(iPad,Android)、
スマホ(iPhone,Android)、ipodtouch
・感想
 専用のビューワをダウンロードしたがPCで開けず。
iOS端末は使用環境が限定されるようで、
購入したものをiPadに切り替えて開くこともできず(泣)。
端末やOSの制約がいろいろありそうなので要注意。
 ・総合評価
利用方法の煩雑さも含め現状では☆。印象としては書籍に特化しているサイトっぽいので、
今後がんばっていただきたい。
映像、画像なども取り扱っていると謳っているが、まずアクセシビリティを改善してほしい。
ブックパス(旧LISMO)・蔵書数
 10万点以上
・ジャンル
 一般書籍、コミック、雑誌
・対応端末
 auのAndroid搭載スマホ、4GLTEタブレット(AQUOS PAD SHT21)
・感想
 サイトに入るや〝アウェー感〟を覚えたが、なるほど上記の対応端末をみれば、
auさんのユーザー向けサービスとわかり納得(苦笑)。
蛇足ながらauのLTEは現在、国内最速の評判
(実際、友人のを使わせてもらったら音速でした!)なので、
使える方にはいいかも。
また使える人も、スマホで読む手軽な読書向けと考えたほうがよさそう。
・総合評価
 キャリアや機種を限定するものは、とりあえずここでは高い評価は下せません。☆
 
kobo・蔵書数
 11万以上
・ジャンル
 一般書籍、コミック
・対応端末
kobo、タブレット(Android)、スマホ(Android)
・感想
こちらもWindowsPC,Macbook、iPad、Kindle、ガラケーという布陣のボクには
判定できません。ただKOBOのバリエーションがたくさんあることにびっくり。
koboの端末を買っても、読書家なら楽天のポイントに加算されるので早めに元を取れるのでは。
・総合評価
 判定不能(ブックリーダーの拡充は心情的には応援したい)。
kindleと比較したいので、ぜひともKoboユーザーの情報求む!です。

電子書籍に挑む理由(1)

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3・11から二週間余り、自粛と節電の空気に包まれた新宿。
閉店時間の早い西口の居酒屋。
あの日からの思いと、互いの近況を
ボクは信頼する編集者のTさんと鍋をつつきながら話し合っていた。
「なんか、やりたいよね」
第三者目線での対話がひととおり収束したあと、
話題は必然的に一人称未来形・・・に移っていた。
それが『召命-Calling-未来から「今」を変える一人ひとりのリーダーシップ』
のはじまりだった。
「ほんとうに自分が今、書きたいことって何だろう」
そんな自問は、
「ほんとうに自分がこれから、やりたいことは何だろう」
という、一つ大きなフレームの問いと相似形を成していた。
そして、そこに隠された、もっと生々しい問い。
それは、こんなことになってしまった日本で、
「オレが子どもたちに遺すべきものは何なのか」
という問い。
生き方を変える必要があると思った。
手放すべきものがあると思った。
まだ漠然としていたが、
ここから逃げるわけにはいない、という覚悟だけは明確だった。
「出版社を通さずに、自由に書いてみたい」
大手出版社の社員編集者であるTさんに、ボクはそう言った。
「手伝いますよ」・・・Tさんが、そう言った。
あらかじめ出版元が決まっていて報酬も保証されているという、
恵まれた環境で20年近くも執筆をしてきたボクは、
道の造られていない原野に立っていた。
それから1年半、
会社の仕事で多忙を極めるTさんは、
そうした仕事とは異なる「特別な想い」をもって
執筆活動に伴走してくれた。
電子書籍のデータ形式や流通の仕組みなど、
すべてが不透明なまま。
それでも我々は、
表現したいことを発信するために新しい構造が必要だと
確信していた。
あれから1年と9か月。
選挙を迎えたこの国で、
多くの人々の意識から3・11の衝撃が過去形に変わっていることが
手に取るようにわかった。
自分が書いた、のではない。
何か目に見えない意図を通して書かされたのだという想いが、
あらためて込み上げてきた。
この現実の先にある未来を、今、見なくてはならないから。
リリース前、真っ先に原稿を読んでくれた
ボクの〝スピリチュアルコーチ〟が言った。
「テンセイさんの純度が高いね。よけいなエネルギーが混ざっていない」
それは、個人的には最大のほめ言葉だった。
12月21日。
HPにアップし、
フェイズブックで〝お友達〟に案内しただけなのに、
アマゾンのキンドルストアでランクインした。
だからって、
売れてる・・・とか、そういう次元の喜びではない。
配信できている、ダウンロードしてもらっている・・・という安堵。
原野を進む挑戦がつづいている。

政治のOSが議論されなかった選挙戦

繰り返し起きていることを俯瞰する。これはシステム思考で必須だ。
たまたま・・・ではなく、繰り返されるという事実。
こうした結果には、必ず相応の原因がある。
ただし原因と言っても、「誰が何をした」という局所的な話ではない。
繰り返されるということは、もっと再現性の高い原因があるということ。
それを一言で表わせば、繰り返しを生む「構造」ということになる。
総理や大臣がコロコロ変わるような繰り返し、
忘れた頃に重大事故が起きるような繰り返し、
新しい社員が入ってきては辞め、また採用して・・・という繰り返し、
シャバと刑務所を行ったり来たりして人生が過ぎて行くような繰り返し。
・・・・・・。
いずれも、「誰が」や「何を」といったように部分を取り出すだけでは、
解決には至らない。
選挙直後なので切り口をしぼろう。
政治における諸々の政策はアプリケーションであり、
このアプリケーションの作動具合はOSの出来にかかっている。
このOSにあたるのが統治システムという構造だ。
問題だらけの日本、
選挙前に多くの人々が口にしていた「政策の違いがわかりにくい」・・・は、
当たり前のこと。そもそも打ち手が限られているのだ。
経済を上向きにさせねばならないし、同時に無駄を削減しなければならない。
原発議論は割れているようにも見えるが、
社会の安全確保という大前提に議論の余地などない。
だから大切なのは、
ほんとうにアプリケーションを機能させられるように、
OSを更新することだ。
ところがメディアも有権者もそこに目を向けることは少なく、
候補者や政党に絶好の〝踏み絵〟を提示できずに選挙は終わった。
この愕然たる事実の根底に、
構造の更新を阻む日本人一人ひとりの意識の力が働いている。
それは、「自分にはどうすることもできない」という意識。
「政治」と「自分」を分離し、「権力」と「生活」を区別するメンタルモデルだ。
実はこの意識が、もはやシーラカンスのような構造を強化している。
自分にはどうすることもできない、と思っている構造は、
そう思っている無数の意識によってつくられ、
ゾンビのように維持強化されているのだ。

「複雑系」思考から逃げるな

有権者が重視する「景気対策」って、政策といえるのだろうか。
人間社会の経済といえば、
複雑系の代表的な研究モデルだ。
専門家の先生に叱責されるのを承知でわかりやすくいえば、
Aという問題にBという手を打てばCになる・・・のように、
不確定要素がない(少ない)のが単純系。
しかし景気というものは、一つの施策でどうにかなるわけではない。
金融対策、税制、年金などの福祉、雇用、国際情勢・・・・・・、
あらゆることが絡まり合い、海の向こうの見えない事情も影響を及ぼす。
だから「景気回復」を望むのならば、
複雑に入り組んだ事柄を要素還元的にとらえ、
あるいはシステム的に構造をとらえるなどして、
全体視野をもつ努力を怠ることはできない。
その上で一つ一つの「具体的な政策」を吟味しなくては、
有権者としての意思決定はテキトーなもので終わってしまう。
その努力をした結果、どの政党にも(政治家にも)具体性がない、
ということが明白になるかもしれない。
しかしそれでも、「よりましな政党や候補者」を見抜く努力は、
けっして無駄ではないと思う。
いや、そこから始める以外に、有権者にできることがあるのだろうか。
世論調査をみるかぎり、
かなり極端な自民党回帰の傾向がうかがえる。
それを推し進める力の一つが、
各種利権団体による組織的誘導であることは容易に想像がつく。
自ら熟慮することもなく、業界や組織からの〝ささやき‟に乗っている人たち。
そこにも、
一人ひとりが人生をかけて向き合うべき複雑系から逃避して、
「景気をよくして」と唱えている人たちの顔が透けてみえる。