ジェット旅客機が空の上を自動航行できるのは、フィードバック機能が働いているからです。制御系の操作(入力)に対して気流などの影響を受けながら飛ぶ旅客機が、入力に沿った結果(出力)となっているかの情報を制御系に戻す。これが電子工学におけるフィードバックの意味合いになります。

入力に対して出力が意図から外れたら、その情報を戻すことで次の入力を調整する。これを繰り返しながら空の上を飛んでいきます。

よく人材育成の分野では、上記の意味合いをすっ飛ばしてfeedはfoodからきている「食べ物」「栄養」といった意味があり、「栄養を戻す」⇒相手の肥料になるような助言を返してあげる・・・といったように説明されます。私もコーチングを初めて学んだ時期、そんな説明を受けた記憶があります。

しかし実はこの人材育成的な観点で言われる説明、あまり好きではありません。なにが相手の肥料になるかを、どう判断すればいいのかという視点が抜けているからです。「オレはお前のことを考えて言ってやってるんだ!」という昭和的な上司、まだまだ多い気がします。

電子工学で言うところのフィードバックは、写実的な事実をそのまま返します。ここでは客観性が不可欠ですが、人文系の世界ではこれを担保することが容易ではないのです。

人材育成や組織開発において、アセスメントが重要な理由はここにあります。マネジャーが部下に、コーチがクライアントに効果的なフィードバックを提供するには、いちど”主観をすべて保留する”ことが大切だと私は考えます。

今までのコーチングでもこの考え方を大事にしてきましたが、CO2(Coach to Organically Optimize)の一環として、自己認識を開発するためのフィードバックセッションを開始します。

継続的なコーチングの前提としてではなく、フィードバックだけを目的にしたサービスもあってよい、むしろあるべきだと思ったからです。

マインドはEQ(シックスセカンズ社のSEI)、ロール(役割適性)は米国Wiley社(日本ではプロファイルズ社)のProfileXT®、アクションはコミュニケーション特性の観点からEverything DiSCという、いずれもグローバルに妥当性が検証されたアセスメントを用います。

信頼性の高いツールを使ったフィードバックとは、あるがままの事実を共有できるフィードバックです。まず結果を見てみよう・・・共有の出発点において一切のバイアスがかかっていません。

だからこそマネジャーも部下も、コーチもクライアントも、ニュートラルな立ち位置から率直な対話をすることの助けになるのです。

肥料を相手にあげよう・・・なんて余計なことは考えずに、無機質なところから始めてみるほうがいい。誤解を恐れず、あえてそう主張したいと思います。