特定の職務で成功している人材を抽出して採用や配属に活用する・・・組織固有のコンピテンシーモデルという考え方は、もう通用しない時代になったと私は考えます。

「うちでこれまで評価されてきた人材から人物像を描くのではなく、〇〇社や〇〇社などで成功している人材をモデル化したものはないか」

複数の日本の大手企業で、そんなふうに聞かれたことがあります。

今の役員は過去のモノサシで評価されてここにいるが、これからのリーダーは違うモノサシで探さなければならない。しかしモノサシがない。

それが“気づいている”企業にみられる、ひとつの現実です。

スイスIMDのドミニク・テュルパン学長は、求められるリーダーシップの性質が次のように変化していると説いています。

「権威」から「信頼」へ。

「ヒエラルキー」から「知識と人のネットワーク」へ

「合意形成」から「感情をつなぐ」

「意思決定」から「インスピレーションの提供」へ

「自信・自己過信」から「自覚・自己認識」へ

VUCAワールドの時代には身につけた知識や技能の賞味期限が短くなり、成功を支え成功によって強化された信念体系が障害になるリスクも高まります。

想像を絶するような変化の波が押し寄せる今、リーダーシップという概念そのものをアンラーニングする必要があります。そんな時代のリーダーという役割の最適化をはかることは、とても困難だけれど欠かせないテーマです。思わぬところに、人々をインスパイアする人材が潜んでいるのではないでしょうか。