マインドフルネスにはさまざまな定義がありますが、最近私は「今にしっかりと注力すること」という表現を使うことが増えています。

これは仏教で言う「方便」(相手に合わせて表現を使い分ける)を意識したものでもあります。完全な説明になっていないことは承知の上で、それでもシンプルに、現実的に伝えることが大事だと感じているからです。

特に忙しいビジネスパーソンには、あれこれ気を散らす事柄が散乱しているなかで「今にしっかりと注力すること」の価値を共有したいと思うのです。

マインドフルコーチングにおいても、コーチとクライアントがこの状態を共有する関係性が重要です。「いい質問をしよう」というコーチのエゴや、気忙しいなかで予定に合わせてセッションを受けているクライアントの状態は、今にしっかり注力できる関係性を阻害するでしょう。

きょうは某社の社内コーチのみなさんと、コーチングに際しての「自分とクライアントのマインドフルな状態」について話し合いました。

面白かったアイデアの一つが、散歩をしながらコーチングしてみる、というもの。歩きながらなんて〝マインドレス〟でしょ、とは、私はけっして思いません。

風に吹かれながらの心地よさを味わいながら、束の間、オフィスで疲れた身体を二人で解放していく感覚を共有する。そんな、ほんのちょっとした非日常性。とっても気軽なスタイルで、大事なことを話し合う。その面白さは、二人を無理なく「今にしっかり注力すること」に誘ってくれるかもしれません。子どもたちが遊んでいるとき、たいていの大人が働いているときよりマインドフルであるように。

それなら、自転車に乗りながらとか、芝生に寝転んでとか、いろんなバリエーションが見えてきそう。厳かに!?マインドフルコーチングだから瞑想を入れて・・・とか考えるよりも、むしろそのほうが本当のマインドフルネスを味わえることもあると思うのです。

要は、頭でコマンドして「うまくやろう」では、うまくいかない、ということ。だから、コーチングぽくなく変わったことをやろうと頭で考え始めた時点で、すべてマインドレスモードになっていきます。

マインドフルネスは特殊なことじゃないし、マインドフルコーチングも変わったコーチングの手法ではない。むしろ、ふつうの状態、人間ほんらいの状態が、自然と立ち現れているということ。ただ、それだけなんですよ、という感覚で、チャレンジしていくのがいいと思っています。