今年最後のフォロワーシップの研修で、一人の受講者から次のような質問を受けました。

「組織の上層部で戦略的な意思決定の方向性が複数あって、なかなか意見がまとまらない」
「そうすると次の動きに入っていけないので、われわれの立場で何かアクションを起こすことは難しいと感じる」

企業としてどのような方向にシフとしていくか。戦略的な意思決定が経営層によって下されるのは当然でしょう。

しかし組織変革を促すような意思決定が、どんなプロセスによって進んでいくか。その歩みをたどってみると、

「組織変革はトップマネジメントからも、ミドルからも、より現場に近いところからも起きている」・・・・・・

システム思考や学習する組織で有名なピーター・センゲ氏は、著書の中でそう述べています。そして、変革がどこから起きるかよりも重要なことは、

「一人ひとりの価値観や思いから発せられて組織のビジョンが形成されていくことだ」

とつづけます。

このメッセージを研修の中で紹介しながら、私は受講者に質問しました。

「みなさんの間で上層部が議論されているようなテーマについて、どのくらい話し合っているのでしょう」

その人の答えは、
「(どうせ自分たちに決められることではないので)それほどは・・・」というものでした。

そこで、さらに私は質問しました。

「もっともっと議論して、そこから上がってきた声をトップマネジメントに向けて発信していける可能性はどうでしょう」

その人は少し考えてから、
「そうすれば、なんらかの影響を及ぼせるのかもしれませんね・・・」

組織変革とは、誰かがスイッチを押したら変わった、というものではないでしょう。組織というシステムの一部であるさまざまな人々が、オーガニックに絡まりあい、影響を及ぼしあうことで、立ち現れてくる複雑で神秘的な物語です。

自分がその変革の一部なのだという感覚こそが、より良い会社をつくる起点なのだと思います。