マンチェスターユナイテッドで冷や飯を食わされた香川真司選手が、古巣のドルトムントに復帰して、いきなりの得点。
昨期は酷評されまくっていたミランの本田圭祐選手が、コーチや主力の入れ替わった今期は開幕から連続ゴール。

この落差はどこからくるのか。
そこには企業組織にも通じる2つの要素が絡んでいると思います。

まず一つは、ポジション(役割)の問題。
どこでもオールマイティにこなせる選手はいないわけで、能力に適した働き場を確保できるか否か。そこが一つめの鍵。

二つめは、スタイルの問題。
チームが意図するプレースタイル、それは会社で言えば意思決定のプロセスや業務慣習、フォーマルとインフォーマルの入り混じった組織行動にあたります。

そのスタイルに馴染めない人は、たとえ能力水準は満たしていても、十分なパフォーマンスは発揮できないでしょう。

マンチェスターにはタレントが揃いすぎており、香川選手が輝ける場を確保することができませんでした。たまに出場しても、信頼がなければ自分にボールが集まりません。その点、彼を好意的に迎えたドルトムントは好対照です。ミランは本田選手と一触即発の場面もあったカカや、本田選手以上にアクの強いバロテッリが抜けました。

それによって、ポジションもスタイルも、彼にとって都合のよいものになってきているのでしょう。

タレントマネジメントの難しさ、その微妙さは、サッカーでもビジネスでも同じだなあと感じます。ただサッカーの場合、常にピッチ上で「出来」「不出来」が露になります。

一方、ビジネスパーソンの場合、そこまで観客やメディアにさらされることはないわけで。そのぶん、タレントを戦略的にマネジメントする意図をもたないと、ずるずるとミスマッチが組織を沈滞化させる要因となってしまいます。

こうした組織マネジメントのリスクを、個人として頭に入れておくことも大切でしょう。それは誰にも訪れ得る機会なのですから。

たとえ冷遇やバッシングが続くことがあっても、機をうかがうしぶとさと、切り替えの早さ。日本サッカー界のトップ2人から学べるのは、このメンタリティではないでしょうか。

たとえポジションを得て、スタイルが見合う職場にいても、複雑で変化の激しいピッチの状況に変わりはないのですから。