会社の成長はトップの器で決まる、と昔から言われます。
トップの器以上には大きくならない、という意味で。

そもそも器とは何だということになるのですが、私はこの定説を鵜呑みにしてはいけないと思います。

エグゼクティブコーチとしての経験からいうと、トップが自分の器に気づくこと(器の大きさだけでなく、種類にも)。これができれば、単純な器の大きさ論には規定されないと思うのです。

まさに、セルフアウェアネスそのものです。

たとえば、自分は100人、200人を超える人々を率いていく器ではない・・・と、あるベンチャーの創業者が感じたとします。自分ではこれ以上、組織を率いることも、変革を成し遂げることもできない、と。

そのとき、執行者を招くことができるか。ファウンダーとしての自分のアイデンティティと、オペレーションを分けてみることができるか。ここが肝心です。人の能力に器というメタファを使うなら、単に器が大きい、小さいという言い方は適切ではありません。何を入れるのに適した器なのかを、大きさとともに測ること。

それが経営のサクセッションプランにおいても、組織全体のタレントマネジメントにおいても大事なところです。しかし、自分の器を直視するのは厳しい経験かもしれません。コーチの立場からは、感覚的なフィードバックが難しい場面でもあります。

そこで有用なのがアセスメントです。

基本的に変わらない自分の思考スタイルや行動特性などを、定量化していきます。
そして「共通のモノサシ」をもって話し合うことから、器の探求が可能になってきます。

そこでの対話は、「がんばればできるかも」とか、「やっぱり無理なんじゃないか」といった、結論の出ない感覚的な対話ではないのです。

何を入れるのに適していて、何を入れるのには不適かを、可視化していく実際的な対話です。自分が入れやすいものは何で、適量はどの程度。

それをクリアにしていくことにより、見えてくるものは限界ではありません。

コーヒーカップにカレーライスを盛ろうとするから限界を感じるのであって、ちゃんとコーヒーを入れたら、誰も小さな器とは言いませんよね。私は、どれだけクリアに器に気づけるか。それがこれからのリーダーシップの鍵になると思います。

万能の器なんて、どこにもありません。
あの人は器が大きいとか、人の上に立つ器・・・てのは、危険なメタファだと思います。(そもそも、“人の上”ってさあ・・・・・・)

もしも、器にさえ入れてもらえない箸置きだと気づいたら。

それはさすがにリーダー無理?
いやいや、案外、それが究極のリーダーシップにつながったりして。

ジェームズ・C・コリンズの言う「第5水準のリーダーシップ」は、リーダーは最終的に箸置きを目指せと、言っているようなものですからね。

今週、来週と弊社やパートナー企業が主催するエキサイティングなリーダーシップ論に関連するセミナーがつづきます。全く切り口が違いますが、それだけに探求しあいがあると自画自賛中・・・。

よかったらぜひ、ご参加ください。


8月22日
マインドフルリーダーシップセミナー
< リーダーシップ3.0 >
特別講師:小杉俊哉氏

8月27日
アセスメントフォーラム 2014
< 競争優位の源泉となる人材の育成を実現する >

メインスピーカー:デイリック・マッキャン氏
(プロファイルズインターナショナル エグゼクティブバイスプレジデント)

ファイザー製薬、日本M&Aセンター社の人材アセスメント導入事例もご紹介!