ワールドカップを勝ち抜いているチームは、選手交代を局面打開のきっかけにしている。

アルゼンチンに敗れはしたけれど、大躍進したベルギーもそうだった。選手交代のタイミング、交代に込められたコーチの意図。それらを選手が理解し、交代後に大きく試合が動く。

かつて破たんした東京相和銀行を、東京スター銀行として再生させた初代の頭取、タッド・バッジさんに話をうかがったことがある。就任後、旧行時代からの幹部の変革への抵抗に苦戦していた彼は、やむなく外部の血を入れて新しい「マネジメントチーム」(当時のバッジさんの言葉)をつくり、そこから組織変革の流れをつくっていった。

他方、せっかくうまくいき始めていた流れが、意図のよくわからない(おそらくは単なる慣例の)人事異動によって、摘み取られてしまうケースを何度も目にしてきた。

人事異動。それは移動ではなく異動。そう、異なる動き。

強いチームは、単に人を移動させるのではなく、異なる動きをつくりだしているのだ。